産業医の所得税

産業医の所得税

産業医には、以下2つの種類があります。

・労働者50人〜999人までの中小企業を対象とした「嘱託産業医」

・労働者1000人以上(有害な作業を伴う事業場の場合は500人以上)の大企業に属する「専属産業医」

嘱託産業医は、月1回程度の巡回を行い健康管理指導などの業務を委託契約で行うのが主流です。基本的には産業医個人と企業が「業務委託契約」を結び役務を提供し、報酬が支払われることとなります。この場合の報酬は、税法上では「給与」扱いとなりますので、所得税の適応を受けて消費税の対象外となります。企業側は給与の支払と源泉徴収を行い、産業医側は他の収入以外に給与を得ることとなるので、確定申告の際には他の収入と合算して申告する必要があります。他の収入が給与所得のみの場合は複数の給与所得を得たものとして、他の収入が給与所得以外(事業所得)の場合はそれぞれの収入欄に合算した上で申告することとなります。

また交通費が別途で支払われている場合には、交通費も含めて源泉徴収されている場合と、交通費を源泉徴収から除外されている場合があります。前者の場合であれば、確定申告で控除を受けることができます。交通費は基本的に非課税ですが、利用する交通手段によって非課税限度額が異なるので注意が必要です。

専属産業医の場合は大手企業に所属するケースがほとんどですが、企業が定める一般労働者向けの就業規則と医師の雇用条件との差異が激しくなじまないので、(1)契約社員として採用される場合と(2)業務委託契約(自動更新)の場合のどちらかになる事例が多いようです。

さらに業務委託契約の場合は(a)個人として契約する場合(b)産業医が代表を務める法人(医療サービス提供会社)として契約する場合があります。

所得税に関して(1)契約社員として採用される場合と(2)-(a)個人として業務委託契約を結ぶ場合には嘱託産業医のケースと同様に所得は税法上「給与」扱いとなり、源泉徴収の対象で、消費税の対象外となりますが、(2)-(b)法人として契約する場合は所得は法人の売上扱いとなり、消費税の対象となります。

法人による業務委託契約以外の場合は基本的に所得は「給与」扱いです。企業側は源泉徴収の対象として源泉徴収を行いますので、確定申告の際に「給与所得」と「源泉徴収税額」をそれぞれ申告し所得税の計算をすることになりますので、十分に理解した上で対応していく必要があるでしょう。

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